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Sweeney Todd in Seoul,韓国 ①

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やっぱりだーい好き!なミュージカル『Sweeney Todd』

ロンドンの2012年版を観られなかった後悔が少しだけ和らいだ、今年の韓国の舞台。10月3日の千秋楽(あちらではマッコンと言う)まであと少し興奮は続きますが、頭の中が収集つかなくなっているので、思いつく限りを書き留めておきます。




【ソンドハイムの音楽世界をしっかり再現している】

韓国ミュージカルを見ない友人にも知れ渡っている、韓国の歌唱力のレベルの高さ。もちろん演技力や配役への適応度も重要だけど、日本のように歌えない人をソンドハイム作品に起用しないで!!と、改めて声を大にして言いたくなりました。いや~素晴らしかった。。!
ただ度々オペラでも上演されている作品。難易度が高いので、初日は主役クラスもアンサンブルも「時々音が不安定だな」とか「四重奏の最後がハモらないっ!」ということも。2度目に観た8月にはだいぶ安定していて聴き応えあり。幕開け ♪The Ballad of Sweeney Todd の第一声を放つ俳優イム・ジョンモさん(?)も深い良い声で、しっかり物語に引き込んでくれました。

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Eric Schaefferの演出意図は?】

装置がシンプル過ぎて物足りない、という声があちこちから聞こえました。白ベースの三階建てで、主に一階がパイ屋、二階が床屋。場面によって映像が使われていますが、ターピン判事の屋敷は蔦がからまる建物。床屋とパイ屋は錆びて赤茶けたようなレンガの壁。それが少しずつ血に染まっていく。。といった仕様。19世紀のロンドンらしさは感じられず、それは私も物足りなく思いましたが、

 *豪華キャストを揃えたので装置に多額の費用をかけられなかった(失礼!)
 *Eric S.はBroadwayやWest Endでも仕事をしているが、小劇場を拠点とする演出家なので、あえて重厚な装置にせず実験的な演出を試みた
 *今回のオーディションや稽古中のインタビューで、Eric S.は韓国の俳優を高く評価していたので「俳優のウマさと個々の魅力を見せる」+「ソンドハイムの楽曲をたっぷり聴かせる」演出にした

どれか正解に近いでしょうか?(笑)

“色の魔術師”と私が呼んでいるEric S. 今回は存分にペイントを楽しんだようです。海のイメージ(船乗りアンソニーや ♪By The Sea の場面)には青。ジョアンナや恋人たちの場面にはピンク。。など。もちろん血や炎の色 “赤” もインパクトあるのですが、“緑” が何とも不気味な雰囲気を醸し出していました。

装置で思い切りNGだと思ったのは、床屋の椅子から地下のパイ焼き場へと続く滑り台。舞台中央の奥まった所に(首を切られた人が 汗)落ちるので、センター寄りの席でも何が起こったのかわかり難かったです。「イギリスの産業革命期における機械化」を皮肉った仕掛けでもあり、かなり笑いをとれる場面なのにもったいないっ!!

もうひとつのチェックポイントは「首を切った後の流血度」(汗×2)日本初演(1981年 東京・帝国劇場)の時は血しぶきが2メートル飛ぶ豪快さでしたが、今回は口からゴボゴボ大量の吐血。口の中に何か仕掛けてる?と気になりました。


この続きは、キャストのことや驚きの舞台ネタをミーハーぎみに書きます。
よろしかったらおつき合いください。