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Sunset Blvd.

2月の渡米レポ、1/3で止まってました(汗)。
年内に終わるか怪しいけれど、頑張ります!まずSUNSETのことから。



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       『Sunset Blvd.』Feb. 11&12 2011
                      Signature Theater(Arlington,VA)

Signatureで上演されると知った時から、この渡米は決まっていた。
私が今まで一番観たミュージカルで(29回だから大したことありませんが・笑)思い入れはもう、星の数ほどある。

初めて生でベティを観て、追っかけ始めるきっかけになった作品。
ロンドン・NYと通い詰め、Elaine PaigeのピアフやDavis Gainesのファントムを観劇中も、SUNSETが気になって集中できなかった。連続5日で7回観劇。この記録は『Gypsy('98 Paper Mill Playhouse)』とタイだ。

ベティが降板した後、もうしばらくSUNSETは見られない、見たくないと思った。10年ぐらいして、この女優、このカンパニーで観たいと思うまでは。。と。
気がつけば15年経っていた。そしてあのSig.でやるとなれば、行かねばなるまい!!
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豪華さが話題のひとつだった、オリジナルの装置に衣装。それもあってか、今までツアーは無く地方公演もわずか。日本での翻訳上演も噂されていたけど、実現していない。
Sig.は300席に満たない小劇場だけど、狭い空間を無限に創造する演出家(ほめ過ぎ?笑)Eric Schaefferに期待していた。だが装置は、ハリウッド女優の大邸宅にしては手狭で、普通の金持ちの屋敷といった感じ。

そして何より、主演のFlorence Laceyが往年の大女優に見えない!
この役に必須なのは、演技力+大女優のオーラ。できるなら歌もベティやPatti LuPone並みに歌って欲しいが、Glenn Closeの例もあるし(笑)私はそれほど重要視していない。
フローレンスは、女の執念や情愛をうまく表現していたけれど、カリスマ性は無し。ジョー・ギリスのD.B. Bondsもツバメにしては地味だった(笑)。
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執事マックス役のEd Dixonが手堅く渋い味を出していたのと、C.B. デミルのHarry A. Winterが良かった。彼の人情味溢れる芝居は定評あるけど ♪As If We Never Said Goodbye 後の、ちょっとした場面で泣かされるとは思わなかった。

エリックらしい演出だと思ったのは、冒頭のジョーの回想から、舞台中央で映写機を回す所。♪New Ways to Dream そしてラストシーンまで、全てスクリーンの中の出来事。全てが夢。。という解釈だろうか?

必ずしもスター主義ではないSignature。フローレンスもそこそこの経歴の持ち主だけど、このノーマ・デズモンドは簡単に演じられる役ではない。彼女は役不足だった。

新たな発見や “Sig.ならでは” は無かったけれど、どの場面どのナンバーもただ懐かしく、確かに年月は流れているのだ― と、ひしひしと感じた。
ノーマが引退し、世間から隔絶された20年も、彼女にとってはつかの間のことだった。今はそう思えてならない。

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