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スリル・ミー

今年初(!)の国内観劇に腰をあげた先月29日。

友人Yさんが、韓国で観てお気に入りのミュージカル『スリル・ミー』
六本木のアトリエフォンテーヌで上演中でした。



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1924年にシカゴで起こった少年犯罪を元に作られた、オフ・ブロードウェイミュージカル。
日本では初演だが、すでに再演が決まっているという(さすがホリプロさん!笑)。

若手のイケメンら、2組のキャストが話題だったようだけど、最近の国内俳優事情にうとい私は誰が誰やら…。
この日は松下洸平柿澤勇人コンビで、年齢や経験を考えると頑張っていたと思う。でもこの舞台に不可欠な愛憎の深さ。そしてドキドキさせるエロチシズムが全く不足していた。

私はNYで観ているので、記憶を呼び起こされる場面がいくつかあった。
オフでは、リチャード(今回の役名は“彼”)のDoug Kreegerが狂気を匂わせる好演。視覚的にも分かりやすく演出されていて、白紙の状態で観たにも関わらず舞台に入り込むことができた。

この日、Yさんを通じて知り合った女性曰わく「(演出の)栗山民也氏は新劇の人だから、そういう(台詞を重要視した)演出よね」

確かに“私”の告白・回想で進む物語なのだけど、説明が多くてクドイ。
役名を“私”と“彼”にしたのは、時代や場所を設定したくなかったからだというが、何度か “私”がレイと呼ばれて「名前を呼んでくれたね!」と歓喜する場面がある。でも結局、彼の名前は出てこなかったし(たぶん)中途半端で違和感が…。
もし“私”の恋心をくすぐる為だけに名前を出したのなら、中高生の恋愛じゃあるまいに、子供っぽ過ぎる。 

音楽(Stephen Dolginoff/訳詞・松田 直行)は、切ない旋律が作品の雰囲気を醸し出しているけれど、3パターンくらいなので飽きてしまう(台詞をシンプルなメロディーにのせ、繰り返し歌う手法がヘン)。重厚なドラマなのだから、ミュージカルではなく、普通の芝居でもいいな。。オフでもそう思ったことを思い出した。

Yさんは舞台装置を「土俵みたい」と思ったそうだけど(笑)私はラ・マンチャ風?かと。
天窓の灯り、階段、平台の下は奈落!!きっと影響は受けているだろう。

鬱々していた日々。覚醒しなければ、と出かけた舞台。
満足度はともかく、「劇場へ行くこと」は続けていこう。。!そう思った。